*◇◇◇
「お疲れ様ー!!よかったよ!!感動した!!」
パチパチと手を叩く麻央と桃香。
「美和、演技よかったよ!あそこでアドリブだなんて…もう大根役者じゃないよ!」
泣きそうな顔でニナが微笑む。
「美和サイッコー!!さすがオレの認めた女だ!!」
なんておちゃらけて言う緒形。
あたしが抱えた最優秀賞のトロフィーに皆々は感動していた。
それなのに、さっきから伊月だけが見当たらなくて……
「緒形ー!伊月知らない?」
「ん?逃げたんじゃね?」
緒形はニヤリと笑った。
「え?なんで逃げるの……?」
そのときちょうど校内アナウンスが流れた。
『只今から後夜祭のメインイベント、告白タイムが運動の特設ステージで開催されます。ぜひ気になるあの子を!片想いのあの人を!連れて来てくださいね!たくさんお待ちしてまーす』
という、アナウンスだった。