「これは、偶然なんかじゃなくて……これは“運命”なんだと。この広い世界でたった一人あなたに出逢えた。……信じてもいいですか?……あなたとの未来を────」


ああ、あたし何クサイこと言ってるんだろ。今になって熱がこみ上げてくる。


最初は驚いていた伊月はふふっと静かに微笑むと、あたしに合わせてくれた。



「わたしも、あなたを一目見たときから恋に落ちました。これが運命ならば……ついてきてくれますか?……共に未来をつくろう───」


そう言って伊月は優しく微笑んだ。


「……はい。」



あたしがそう、返事したその瞬間────



グッと強い力で、でもどこか優しく……伊月はあたしを引き寄せた。


キャーーー!!っと甲高い声が体育館に響き


気づいたときには伊月の腕の中で……




「……よくやったな。」



そう、伊月はあたしの耳元で囁いた。



酷いぐらいの動揺を隠しきれないまま
大歓声と悲鳴の中


………幕は閉じられた──────






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