え、どうしよ。どうしよじゃないやばいどうしよ……

テンパってわけがわからなくなってきた!!


あたしはジッと伊月を見つめたけど伊月は何も反応しない。


舞台袖にいるニナに目配せをしたら…
あたしがセリフを忘れていることに気づいてくれて台本を開いて指をさした。


(美和!!ここだよ!!)


でもそんな遠くからじゃ見えなくて……


うそ、やばい……落ち着けあたし。

あたしはシンデレラ。
王子様との再開。

シンデレラだったら……あたしがシンデレラ想う気持ちをそのまま言葉にすればいい!!

あたしは深く息を吸った。




「……もう逢えないかと思った。私はあなたに……あなたに出逢った瞬間恋に落ちました────」


舞台袖からざわざわと聞こえる。

こんなアドリブあたしだってしたことない。でも、多分シンデレラはこんな気持ちだったはず…


少し驚いてあたしを見つめる伊月。

それでもあたしは続けた。