「ニナぁ〜あ」
体育館に入ってみればもう三組の劇が始まっていた。
「し!静かに…!……み、美和?どうしたの?」
「伊月がぁ〜あ……」
「伊月くん?意識戻ったの?劇一番最後にしてもらったから早く用意して!!」
あたしは返事する間もなく更衣室に連れていかれた。
「よし!かんせー!」
麻央が最後にチークを頬に…
「美和〜!可愛いじゃん!きれいだよ♡」
あたしは鏡を恐る恐る見て一回転。
いつもより少し濃いメイクに、ティアラをつけたアップにした髪。
キレイなレースシフォンのついた淡い水色のドレス。そして、光沢のあるガラスの靴。
そこに立っていたのはまるで
童話の中から飛び出してきた
──────シンデレラ
「うそ……これが……あたし?」
「美和そのドレス似合うね!可愛いよ。」
と、隣にいたニナが微笑む。