その瞬間、氷のような風に吹かれた気分がした。
案の定、周りの女子軍団はあたしを終始睨みつけていた。
……はぁ、最悪だあ……これからどうなることやら……
「おい!美和!!」
そのとき、聞き覚えのあるあのチャラい声が後ろから聞こえて来た。
「あ、緒形。………って、ええ!??何その格好……」
振り向くと、明らか王子様ようの衣装を来て立っている緒形がいた。
周りの女子たちもキャーキャー言いながら緒形に向けて携帯を向けて写真を撮っていた。
「どーだ。似合うだろ?まぁ、オレは何着ても似合うけどなっ!」
自信満々に、それこそドヤ顔であたしを見つめた。
そんな表情でさえ、女子たちはかっこよく見えているのかまたもやキャーキャーと黄色い歓声をあげた。
「まぁ、まぁ、そんなわめかないで。オレのシンデレラちゃんたち。」
調子に乗った緒形は周りの女子たちの肩を抱いてそんな事を言い出した。
そのおかげで、発狂して倒れる女子続出。
「あんたね……!いいかげんに────」
そのとき、緒形はあたしを優しく包むようにして後ろから抱きしめた。