「……伊月……。うそ…本物…」
「なに寝ぼけたこと言ってんだ。俺以外に誰がいんだよ、」
ほんとに、伊月だ。
「伊月っ……よかった、よかった」
「あんま泣くな、布団汚れんだろ。」
「だぁっでーだってねいつぎがめをざまじだんだもん」
「おい、お前…何言ってんのかわかんねーぞ。ってか、その顔…すんげー汚いぞ。」
「ぅるざい!ほっ……───」
ほっとけバカって言ってやろうと思ったのにそう言えなかったのは、伊月がその綺麗な手であたしの涙を拭っているから。
伊月の綺麗な手があたしの涙を拭うたび、鼓動が早く波を打つ。
やがて、伊月はそばにあった制服に着替えるとあたしの腕をとった。