「悪い、変なこと聞いて。……早く行けよ。」


「ごめんね。おばさんには謝っといて!ありがとう、悠宇!!」





それからあたしは学校まで走った。


「…ハァ、伊月は!?」


たまたま体育館にいためがねくんを捕まえる。


「い、伊月くんなら……さっき病院に……」


「伊月大丈夫なの!!?どこの病院?」


「伊月総合病院です……もしかしたら明日の劇も……僕がかわってあげた──」


「ありがとう!!」


あたしはめがねくんの話を最後まで聞かず体育館を出た。


伊月総合病院……伊月のお父さんが経営している病院……



あたしは無我夢中で走った。

なんであんなヤツの心配してるんだろ…

悠宇の言う通りあたしが行かなくても…でもなんで?なんで足は勝手に動くの?


アイツのことなんて、なんとも思ってないのに……