ディスプレイにはニナが……


あたしは悠宇にごめんと言って電話に出た。



「もしもし?どうした?」


『美和!!?美和学校まだいる?買い出し行った先生たち帰ってきた!?』


「さっきでたところ……先生たち知らないけど……どうしたの?」



『体育館のステージ準備で、脚立の上から伊月くんが落ちて意識がないの────』


「……え?今なんて……」


『ごめん美和先生探すわ。ごめんね!!』


────ブチッ、ツーツー



耳に残ったのは電源がきれる音だけ。



「どうした?美和……」


「ご、ごめん!あたし学校いってくる!!」


「は?どうして……」


「……伊月が、伊月が脚立から落ちて意識失ってるって……あたし、行かなきゃ」


走り出そうとしたそのとき、グッと腕を引っ張られた。