「お前は鈍臭いから気をつけろバカ。」


「なっ!バカは余計!!…って鈍臭いも余計!!」


「わかったんなら、さっさと帰れ。悠宇待ってんぞ。」


ドアにもたれかかっている悠宇が目に入った。
そうだ、今日は悠宇の家でごちそうになる日だった。

すっかり忘れてた。


「え、でも…あたし文化委員だし体育館……」


「お前は家で劇の練習しとけ!どうせお前が準備手伝っても邪魔になるだけだろ。」


「じゃ……わ、わかったよ。悠宇帰ろ!」


邪魔って……ほんと嫌味なヤツ。


あたしは鞄をひったくると悠宇の腕を掴んで教室を出た。