────ドサッ

と、鈍い音を立てた。



「って、お前な…またか。」



すぐ耳元から伊月の声。

気がつくと伊月の胸の中にいた。


「え、え…ええ!!?ほ、ほえ……あ、その……え?」


この状況に未だ理解できていないあたしはパニック状態。


「危なっかしいヤツ。早く降りろ。」




そのとき────


ガラガラっと音を立てた教室のドアが開いた。



「美和、一緒に帰らねー?………」


そこに現れたのは────悠宇。



「お前ら何してんの……」


あたしたちの姿を見て呆然と立ち尽くす悠宇。


「え、あ…あのこれは…事故で……そのやまし」


「おい、重い。そろそろどけ。」


いつになく、低い声で伊月はそう言った。


「ご、ごめん……」