「お前さ、力入りすぎ。だから片言になんだよ。」


「だってー。シンデレラとか荷が重いよ……あたしがシンデレラになれるわけ…」


そう、弱音を吐いた。すると伊月はあたしの頬を片手でつまんだ。


「む、にゃにするゅひゃなせ!!」


「お前はシンデレラになれ。無理でもなれ!シンデレラの立場になれ!」


伊月はそう言うと手を離した。



「お前なら、やれる。絶対。」


あ、あの伊月があたしに応援?
明日雪でも降るんじゃ……なんて口にするとキレるのが目に言えていたので口を噤んだ。


「……い、伊月……わかった。あたし頑張るね!!絶対、賞取ってやる!!」



そう意気込んではしゃいだその瞬間


「キャーーーー!!!」


足元にあった木材につまずいてそのまま伊月のほうに倒れこんだ────