振り向くとドアにもたれかかったアイツの姿。


「い、伊月!!?あんた体育館の準備じゃ……」


伊月も文化委員だから体育館の準備をしているはず……


「あー、釘取りにきただけ。…まさかお前のヘタクソな練習やってるとは思わなかったわ。」



な!!!


「へ、ヘタクソって……一言多いわバカ!!あ、あたしだって…が、頑張ってるんだから…」


あたしは伊月から背を向けて台本を読むフリをした。


「じゃ、その頑張ってるとこ見せろよ。」


「……は?な、なんでよ……」



「お前、もしかしてそんなヘタな劇を見せるつもりかよ。はっ笑わせんな」


伊月はそうゆうとケラケラ笑い出した。


な!なによ…どこまでも嫌味なヤツめ!


伊月は教卓の上にあった台本を手に取るとあたしに近づいてきた。


「ほら、練習付き合ってやるから…」


なんでかな……そうゆうところにいつも胸が音を立てる。