「あたしやるー!!」


「あたしもやりたーい!!」


「私がシンデレラやるの!!」


伊月の外国行きのことを考えているうちに役決めが進んでいるようだ。


伊月には外国行くんだねって話しない方がいいよね。

外国行くのって医者になるためなのかな……


って、あたしなんでこんなにあいつのこと考えてるんだろ。バカみたい。


これじゃあ、伊月のことが気になってしかたないみたいじゃん。


あたしはバカバカしくなって机に伏せた。


「おい、美和!お前やれ!!」


いきなりそんな声が聞こえて顔をあげると緒形がニンマリと笑っていた。


黒板には役名の下に名前が書いており、魔法使いだけ名前が書いてなかった。


あー、あのおばさんみたいな魔法使いか。まあ、なんでもいいしそれでいいか。



「うん。いいよ。」


あたしがそう言った瞬間周りの女子たちがぐちぐちと言い始めた。