「あたしは本気だよ?だって、もうこの世に未練なんかないから。あたしも元と同じ場所に行きたいの!」


「……じゃ、そのまま落ちて死にな。」


冷血王子はあっさりあたしにそう言った。


「おいっ!とも。何言ってんだよ!」

悠宇が冷血王子の胸ぐらを掴んだ。


「死にたい人間を止めてどうするんだよ。死にたきゃほっとけばいいんだよ!」

冷血王子は強く悠宇の手を払った。


「あたし、死ぬから!みんなバイバイ。」

あたしはキツく目を閉じた。


ニナの悲鳴と悠宇の叫び声が聞こえて来た。


どうしよ、やっぱり怖い。

脳裏には浮かぶ大切な人達の笑い顔。

お母さんにおねえ、お父さん。
ニナ、桃香、麻央、悠宇。


そして、元の笑顔……。





バシャーンーーーーーーー