「何よそれ、あたしはこんなにも……ーーーーー」


「こんなにも辛い思いしてるのに、あんたは空気読めないの?……とか?」


冷血王子はフッと笑うとあたしの思っていることを見事代弁してみせた。



「ち、違う!」

あたしは慌てて言い訳するけど冷血王子には全く効果がないようだ。


そのとき、フワァーっと風が吹いて手に持っていた元からの手紙が飛んで行き、冷血王子の足元に落ちた。


それを拾った冷血王子はまたもや、不敵な笑みを浮かべた。


「大切な人が亡くなって?辛い思いして?友達には同情されて?信頼している人の前でも泣けなくて?ここで泣いて?
そんで、手紙越しの愛の告白に大泣き。
……あんた、バカ?」


いきなりのことで耳を疑った。

理解したときにはカッと頭に血が上って……


パンッーーーーーー



冷血王子の頬を引っ叩いていた。