暫くはガサゴソと音がしたり、カチャカチャと食器の音がしたけど、いきなり静かになった。


その代わりに、チャックを閉める音がする。


……もうでるんだ。



健司はトラックの運転手をしていて、いつも朝早くに出かける。


まあ、毎日のことだから慣れたけど。



「じゃ、行ってくるな」



布団に入っている私のおでこにキスをして、ついでに投げキッスをして出ていく。



健司は私は寝てると思ってるらしいけど、実は毎日寝たふりしてたり…。



私は触れたおでこを触りながら呟く。



「いってらっしゃい…」