……一分が長い。

私が帰ってきて、1時間くらいがたった。


遅い。


そんなに怒ってるの?


やだ…健司。帰ってきてよ。健司がいないと、やだ…。



視界がボヤケてきたとき、遠慮がちにドアが開いた。


すぐさまそっちに駆けつける。



「…アキ。あのさ…」



ばつが悪そうに頭をかいている。


私はそんなことを気にせずに、抱きつく。



「帰ってこないのかと思ったよ~。うええーー」


「アキ!?」



滅多に泣かない私が。

滅多に降参しない私が。



今こうして健司に謝って、泣いている。

変な感じだけど、これが現実だ。