「……健司?」
「よっ!」
会社を出てすぐ、健司を見つける。
健司はニカッと笑ってから、上川先輩に目を向ける。
「草辺の弟?」
「「彼氏(です)」」
私と健司の声が重なる。
「そっか。じゃ、またな。草辺」
「はい。お疲れ様でしたっ」
去っていく後ろ姿をぼーっと見る。
「…アイツ、気に食わねえな」
「ん?何か言った?」
「別に…」
「てか、どうしたの?」
「ん?早く終わったから、迎えにきた。」
健司はいつもストレートに伝えてくる。
私は、そんな健司も嫌いじゃない。
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