「亜美は小さいからなー」


「そんなはっきり言わなくてもいいじゃん」


こんなにストレートに言う奴は、弘樹くらいだ。


先輩たちは躊躇ってくれたというのに。



「確かに亜美は体格差がなー」


「そうなのよね」


弘樹の発言があったおかげとうか、そのせいで先輩にまではっきりと言われてしまった。


「そんなこと言われても、自分ではどうしようもできませんから」


中学2年生にもなったのに、身長はほとんど伸びることはなく、未だ145cm。

150cmの壁が厚すぎる。


毎回、毎回、押し負けるのだ。


試合場外に押し出されることなんて、日常茶飯事。


一度なんて、完全に飛ばされたことがある。


あの時は、あまりにも見事に飛ばされたもんで、コーチにも先輩たちにも、みんなに笑われた。


あー、嫌な事思い出してしまった。



「あーあ、亜美が拗ねた」


「……拗ねてないです」


結局、先輩たちと別れるまで、私が明らかに体格負けしていたときのことを、掘り返され、からかわれた。


話のいいネタにされた感じだ。