「わーってるよ。そんなみんなで否定しなくてもいいだろ。それに弘樹は大丈夫だろ。実力的に3番手だしな」


そうなのだ。


驚くことに、この1年で弘樹はメキメキと力をつけて、男子部員では3番手、前田先輩、大石先輩に次ぐ選手になっていた。


私も、頑張ってはいるけれど。


弘樹ほど成長できていない気もする。


「亜美だってねー、頑張ってるもんね」


私の浮かない表情に気付いたのか、小百合先輩がすかさずフォローしてくれた。


「……それなりですけどね」


これが一番的確な表現だとは思う。


ただどうしてもこの1年で、自分の努力では越えられない壁にもぶつかった。


これが一番大きな壁だったりする。