変わらない日常と、変わっていく感情と、そんな日々を過ごしていくうちに、あっという間に時間は経過していった。


いくらこのまま時が止まっていて欲しいと願っても、そんな願いが叶えられることなんてあるはずは無かった。


稲北中学に入学して、もうすぐ1年。


未だ理解できない感情と出会った1年ももうすぐ終わる。


これからの1年は何が起こるんだろう。


1年前と変わらぬ桜を見上げて思った。




――――新しい春がやってくる。