まだ、私に惚れていると言ったヒカルに、こんなこと言っちゃ駄目かもだけど・・・


「大丈夫なんかじゃないよっ!!!」


言わずに、いられないっ!!!


「・・・・・・・分かってんじゃねぇか。」

ヒカルが、にっと笑った。


「そこまで分かってんなら、行けよ。逃げんな。ちゃんと、ナオに気持ち伝えろ。後悔、しないようにさ。」


ぽんっと、また背中を押される。


「・・・・・うん。」

私は頷いた。


逃げちゃ、駄目なんだ。

伝えなきゃ、ヒカルの言うように、私はきっと後悔する。



「ありがとう・・・。ヒカル。」


呟くように言うと、ヒカルが笑った。


「背中ぐらい、何度だって押してやるさ。ヒカリ、ガンバ。」


穏やかな、優しい声に、泣きそうになった。



ヒカル、あんた、優しすぎるよ。

温かすぎるよ。



「本当に・・・あり、がと。ヒカル、自分の事も、大切にするんだよ?

大好きっ・・・・・・」



私は最後に、そっとヒカルの唇に自分の唇を押し付けて、お城の方へ走った。


走ってる最中に涙が流れた。

どうして流れたかは、よく分からなかった。




―ヒカリside end―