クリスティーヌが振り返る。

「風邪、引きますよ?俺の家、すぐ近くだし…寄って行きませんか?」

 イアルが言うと、彼女は顔をわずかに輝かせ

「寄ってきます!」

 と大きな声で言った。

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 イアルの家に足を踏み込んだクリスティーヌはまっすぐに窓際へ走って行った。

 狭い家の為、玄関からでも家の奥が見えるのだ。

「この花、すごく綺麗ですね!!」

 彼女が窓際のプランターを指さす。

「あぁ、それはハナミズキ」

 イアルは彼女の指さす先にある花の名前を答えた。

「ハナミズキ?」

「そ。花言葉は“私の想いを受け止めて”だったかな」

 うろ覚えの知識を告げると、

「へぇ…花について、詳しいんですね」

 クリスティーヌは感心したように胸の前で手を組み合わせて言った。