「申し訳ありませんでした!!急いでいたもので…お怪我はなさりませんでしたか!?」

 ソルティアは早口に言い、少し頭を上げた。

「急いでいたのね、これからは気をつけなさい」

 少女はそう言って、ニッコリ笑う。

「…オマエ、どこの使用人だい!?」

 主は許しているのに、使用人はまだ腹の虫がおさまっていないようだった。

「えぇっと…その…」

「いいじゃない、ミッシェル。そんなに怒らなくても…彼女だって反省しているのよ。それにこんな小さなことでこの者の主を呼び出すものじゃないわ」

 少女はソルティアの目をしっかり捉えて言うと、

「さ、行きなさい」

 と促した。

「ありがとうございます!」

 ソルティアはもう一度頭を下げ、足早にその場を立ち去った。