目が覚める。

 クリスティーヌは、夕べ聞いた真実を思い返しながら服を脱ぐ。

 クリスティーヌのへその横には、梵字に似た痣があった。

「これが、父さんたちの言う…神の証なんだ…」

 そっと指の腹で痣を撫でる。

 夕べ、クリスティーヌは、自分の母が神の上に立つ神であることを聞いた。

 そして、その娘であるクリスティーヌも、神の証を持つ者だと父は言った。

 クリスティーヌの痣は、雷の神の痣だ、そう聞かされ、クリスティーヌは驚きながらも内心はやはり、とも思えた。

 今までクリスティーヌはそんな話を聞いたことはなかったが、痣を持つ者の運命(サダメ)なのか、なんとなく、そんな気はしていたのだ。

――クリスティーヌ、オマエは神の子なんだ。

 父の言葉が脳裏によみがえる。

――オマエの恋、応援してやりたいのは山々なんだ。けど、できない。

 クリスティーヌは、正装に腕を通し、ため息をひとつつく。