「そんなの、おかしいよ」

 クリスティーヌが呟いた。

「何がだ?」

「だって、お父さん言ってたでしょ?前国王と前王妃は死んだって」

 オラシオンは頷く。

「あぁ、確かに言った。…だが、あれはオマエに真実を言うことがないと思っていたからついた嘘だ。だが、オマエももういい年だ。隠し事なんか、もうできまい」