「ダリィーー…。」
「マジ、それ。」

新学期そうそう
体育館で変な話。
長々と新学期からが大事だとか
3年生は勉強を頑張りなさいだの。

飽きた。



当時14歳。
中学3年生の私。

花奏 詠 〜かなで うたう〜

かなでにちなんでうたうを
付けたと親が言っていた。



校長の長い話を右から左へ
受け流しながら
聞いているといつのまにか
新しい先生の紹介に入っていた。

その中でひときは目立つ
黒のスーツに水色のネクタイ。

緊張しているのか
顔がこわばっている。

「坂本 慶です。」


体がなにかを感じた。

気のセイ…?


あの時は気のセイだと
思っていた。