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・・・福村 翔、ねぇ・・・
聞いた事ないや。
ま、今はそんな事どーでもいいけどっ♪
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1-8の教室のドアをガラッ!!!と開けた。
星奈とクラスの中の様子をうかがってみると・・・
シーーーーーーーーーーーーーーーーーン
・・・・・・さっ、最初はこーゆうもんだよね~~~!!!
静かな空気に耐えながら、私は自分の席へ行った。
すると、カバンを早く片付けた星奈が私のところへ来た。
星奈が当たりをキョロキョロ見渡していると、あっという顔をした。
「ねねねッ、あの子これからも孤立しそうな子じゃない?」
へ?
見てみると-・・・・
星奈の目線の先には、一人で本を読んでいる子がいた。
たしかに、孤立する子はよく 休み時間に本を読む特徴があるとかって、聞いた覚えがある・・・。
「ねぇ!話しかけてみようよッ」
星奈に言われるがままに、私たちはその子の所へおそるおそる行ってみた。
「ね・・・ねぇねぇッ」
星奈はその子に声をかけた。
その子はこっちを向いて「ん?」というような顔をした。
「名前、なんていうの?」私も声をかけた。
「加藤 美愛だよ」美愛ちゃんは、ニコッとして言った。
可愛い・・・!!
「あのさっ!一緒にしゃべらない?その方が楽しいよ!」
星奈は少し上がり気味で言った。すると、
「いいよ♪」美愛ちゃんはクスッと笑って言った。
なんだか、楽しくなりそう・・・!
とーこーろーが。
私は、奇数のグループにいると よく孤立をしてしまうんだよね。
3人でしょ?
------------2人の世界に入っちゃったみたいなんだよね・・・
なかなか、輪に入れない。
どうしよう・・・・!!
人見知りなのもあって、なかなか美愛ちゃんと仲良くなれない。
はぅあ~
その時。
「ちょッ・・・あの人すごいかっこよくない?!」
後ろからそう声がした。
え・・・?
後ろを振り返ってみる。
一人のクラスの女の子が、他の子と一緒に盛り上がっている。
その子の目線をたどると・・・。
「翔!おはよ~ッ相変わらずのイケメンくんで♪」
「う、うるせーよ・・・」
男子のグループができていて、
その中にいた。
福村 翔が。。。
「ほ、ほぇぇ~・・・」
思わず小さい声をあげてしまった。
だって...結構顔がいいもん。
おまけに、声までかっこいい・・・。
女の子が見とれるのも無理はない。
だけど、私・・・。
今はそれどころではない。
輪に入れないよぉ・・・
いつの間にか、2人はプロフ交換をし、呼び捨てで呼んでいるようになった。
そして、2人はクラスの女子にもプロフを渡し回り、
女子みんなが仲良くなっていった。
私をのぞいて-・・・・
私は、一人が嫌だから、とりあえず前の席の孤立している子に声をかけてみた。
その子は「立川 智美」と言って、周りの子から嫌われているらしい。
そういう子とは正直あんまり一緒にいたくないけど、孤立するよりはマシかな・・・と思って、休み時間は星奈たちとは離れて智美ちゃんと一緒にいた。
「ねぇ智美ちゃん、呼び捨てで呼んでもいい?」
「ん?いいよ!うちもさっちゃんって呼ぶね♪」
次第に私たちは仲良くなっていった。
そして、星奈となんだか距離ができてきた。
同じクラスなのにも関わらず、しゃべらなくなり、
ついには目を合わせてもすぐにそらされるようになった。
-----なんか・・・・
はぁ~。
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ある日の休み時間
星奈たちを見ていると、ヤンキーっぽい子が中に入ってしゃべっている様子がうかがえた。
あ、あの子はッ・・・!!
桜丘1年で一番嫌われてるという、ヤンキー&自己中&社長令嬢で噂の
「橋下(はしもと)奏」!!!
星奈、美愛ちゃん・・・・・。
嫌じゃないのかな??
あっ、今 向こうを向いて嫌そ~な顔した!
クスッ...
その様子がなんとなく面白くて、笑ってしまった。
それにつられて、智美も笑いだす。
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こうして星奈たちの所にはいつの間にか、奏ちゃんが居るようになった。
向こうの方が 楽しそうだなぁ・・・。
私も、ずっと向こうに居ればよかったのかな?
輪に入れなかったとしても。
私はいまだに、クラスの子とは3,4人しかしゃべっていない。
あの2人はもう、ほぼ全員としゃべってるのに---...!!
あーぁ、
なんか 楽しくない...。
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5月に入ったある日の終学活。
木元先生がまた、へたれ男子をいじりはじめた。
これはもう毎日の事で、凄く面白い!
そして、突然ある名前が出てきた。
「翔!こいつどーにかしてやれよww」
翔。
あっっ
「えぇ~・・・ 何で俺なんすかぁ??」
皆がドッと笑った。
福村 翔だ---・・・
クラスの女子をキョロキョロ見渡すと、
何人かの子が目を輝かせていた。
ほほぉ。 やはりモテるのか...
私も不覚にも、少し気になってしまった。
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気がつくと、私は福村の事を少しずつ目で追いかけるようになっていった。
なんか 追いかけたくなってしまう。
なんでだろ...
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「さっちゃん!!!」突然、後ろから星奈に声をかけられた。
「ひゃあっ!!?」思わずびっくりしてしまった。
「んもぉ、そんな驚かなくても・・・。ま、でも最近しゃべってなかったもんね」「そだね~」
星奈としゃべっている時、私はすごく嬉しかった。
だって・・・こうして久しぶりにしゃべれたんだもん。
「聞いてよさっちゃんッ 星奈ね、気になる男子できちゃった!」
突然の告白に、私は「へひゃあっ!?」と言ってしまった。
「クスッ... ちなみにね、その男子っていうのはこのクラスだよ♪」
・・・・・・へ?
まさか、あの・・・福村・・・じゃ、ないよ・・・ね?
ってなんで私がそんな心配してんのっっ。
とにかく、誰なの...??
「えへへ~ 当ててみて!」
*続く