私は霊園の中をひたすら歩き続けた。



そして、ある一つのお墓の前で立ち止まった。



『向坂家』



お墓の前でしゃがみこみ、アイリスの花束を置いた。



蝋燭とお線香に火をつけ、手を合わせた。



「一年ぶりだね・・・・・駿・・・」



その瞬間、風にアイリスの花束と手紙がゆれた。