「私ね・・・好きな人ができたの・・・」



自分の気持ちを率直に話す。



「こんな事言って駿がまだ生きてたら・・・その人のこと殴りに行ってたかもね」



小さな笑いが出る。



「今でも、駿のことを諦めたわけじゃない。むしろまだ好きだから・・・」



脳裏には、駿と過ごした数々の思い出が甦る。



「でも、いつまでも過去に捕らわれているわけにはいかない。前に進まなくちゃいけない」



次第に、視界がぼやけて来た。