「あっ」 風は、私と駿の手から白いハンカチを奪い取っていった。 駿はハンカチを掴もうと窓から身をのりだし、必死に手を伸ばした。 次の瞬間、窓枠から駿の手が滑り落ちた。 そして、駿の体はまるでスローモーションのように傾き中庭に引っ張られていった。 ドンッと言う音が中庭から聞こえた。 雪雲の間から見える澄み切った青空を背景にして、白いハンカチがフワフワと舞い上がっていた。