茜side

あれから一週間後
学校では何事もなく過ごした

しいていうなら
ちょっといやがらせがあるぐらいかな?


そして今
あの桜の木の下に居る


「まだかな?」

この桜の木は
私が診察に来た時、最後に家族で笑い合った場所なんだ

それからかな?
家族の仲がおかしくなってきたのは

まだ
12歳だったけど
知ってた

暁は13歳
面白半分だったのかもしれないし
本気だったのかもしれない

でもそれだけで
家族の仲を崩壊するには十分だった

お父さんは次第に体調が悪くなった
私は、虐められるようになった

だからこの桜の木は
家族皆で来た最初で最後のお花見だったんだ

しばらく
そんな事を思い出してると

「茜」

「っあ!翔?」
「おう
待ったか?」

何で遅かったのかな?

「何で遅かったの?」

「ん?
俺も診察に来てるからなココに」

「そうなんだ。何か病気?」
「あぁ
 ちょっとした病気
 まぁ真面目に治療したら治るらしいけどな」

「そっか」