茜から聞いた話は
今まで抱えてきたんだと思うと
すんげー胸が苦しくなるような話だった


「軽蔑した?
もう別れる?」

泣きながら俺に聴いてきた

グイッ

「キャアッ」
「良く頑張ったな茜
沢山泣いていいんだぞ

俺の胸貸してやる」

抱きしめながらそう俺が言うと

緊張の糸が解けたのか
大泣きした

その間ずっと俺は
頭をなでてやることしかできなかった

今の俺に何ができる?
頭をなでてやることしかできない

でも何で?

「なぁ。茜?」

「ん?なぁに?」

っちょ
上目づかいは辞めろ

「何でいつもココの桜の木を悲しそうにでも懐かしそうに見上げるんだ?」

「っ!」

茜がすごく驚いたような顔をしてる
「教えてくれねぇか?」

「ココが家族皆で来た
最初で最後のお花見をしたところだったから

この桜の木を見るとね?
その時の記憶が思い浮かぶの」

そうだったのか・・・

茜は全部
自分の事を話した
俺も言わなきゃな