「綺麗…」

校門の前の大きなサクラの木は
いつも私たちを迎えてくれる。
そのサクラの木は風が吹く度、
花びらがゆらゆらと散ってゆく。

私、新崎陽向(シンザキ ヒナタ)は
この春 入学式した高校一年生。
見事、志望校に合格し、私は新しい生活を
おくろうとしている。

「陽向?」
「な、何?」
ぼんやりしてるといきなり親友の、
高木千恵(タカギ チエ)が不思議そうな顔で
立っていた。
「陽向、教室行かないの?もうチャイムなるよ」
「ごめん、ちぃ。行こ」
私たちは、教室に向かった。

ちぃとは、小学校の時からの親友だ。
顔は整ってるし、スタイル良いし、優しくて、頭が良くて、運動神経が良くて…
完璧といっても、間違いない。
そんなちぃが、私は好き。
だからちぃと同じクラスで、
ホントに良かった。
私は自分から話しかけることが苦手だから
新しい友達が出きるか不安だった。