『佐藤君のために作ってきてるんです…。佐藤君だけのために…』 いつも、早起きして佐藤君の喜んだ顔を見てくて “美味しい”って言ってほしくて…。 「それほんと?」 いつの間にか私の方を見つめている佐藤君と目があう。 『ホントにきまってるじゃないですか…嘘なんて付きません』 「そっか。ならお弁当ちょうだい」 スッと私に弁当くれ、とでも言うように手を差し出してくる。