『あーあ…勿体ないじゃないですか…』


泣きだしそうなところをグッと堪えて、落ちた唐揚げをティシュで包む。


『佐藤君知らないんですか…?食べものは粗末にしたらいけないって…』


いつものように話してるつもりでも声は正直すぎて、震えている。


視界が滲んで、私の頬を何滴ものの雫が流れる。


『そんなに…私のお弁当食べたくないですか?』


「……」


何も言わない佐藤君。


何も言わないと言う事は、肯定していると同じものだ。