気付いて無いのかよ、と言いたげな視線を佐藤君からグサグサと私にささる。


『すみませんでした』


私は机におでこを付けるほどに本気で佐藤君に謝った。


最悪すぎ、本当に運が無い。


心の中で言っていたつもりなのに、声に出ていただなんて気付かなかった。


しかも本人が居る前で言うなんて、どんな仕打ちでしょうか。


「別に良いって」


そう言って、何も聞いていなかったかのように佐藤君は図書室から出て行った。