『……あ。淕斗クンのアド知らない。』

「……は?」


服を選ぶ、恋美の手が ピタッと止まる。


『この前聞けばよかった。』


私は溜息をする。

好きな人のアドくらいは知ってなきゃいけないのに………

私の馬鹿ぁぁあ………


「教えてあげよっか?」

『ふぇ!!?恋美知ってるの!!?』

知ってるよ-って
言いながら、恋美は鞄から
ストーンシールをたくさん貼った、ゴツゴツのケータイを取り出した。