首を傾げてしまう。


「『オレんち来いよ』──って耳元で囁いたら、倒れたんだよ」

川崎さんは、あたしの足元辺りに腰掛けた。

「あの…ここは?」

「オレの家。倒れたから連れて帰ってきたんだよ」

「す…すみません。迷惑かけて」

頭を下げる。

「気にしないで。元々、舞ちゃんを家に呼ぶつもりだったし」

「……」

「初めて見たよ。耳元で囁いて倒れる人。興奮した?」

「してません!」

即答する。

興奮なんかしてもん!

「まぁ。いいや。舞ちゃん倒れてなかったら、ここにきてなかったかもだし」

「来るわけないでしょ? つき合ってるわけでもないのに」