『川崎さん。あたし元旦那のことがまだ好きなんです』

『それが？』

『元旦那のことが吹っ切れてからじゃないと、新しい恋に彼氏とか考えられません』

『吹っ切れるまで、友達でいればいいだろ？』

『そうですけど…。あたし川崎さんに甘えてしまいそうで』

『甘えていいよ。利用してよ』

『そんなことできません』

その日、あたしは、はっきり断った。

洋介のことが吹っ切れるのはいつになるかなんて分からない。

もしかしたら、一生吹っ切れることはないかもしれないし。

川崎さんに期待を持たせて傷つけることはしたくなかった。(キスしたことで期待を持たせたかもしれないけど)