ちゃんと自分の気持ち伝えられるよね。

つき合うことは出来ないって。

今までみたいに慎吾のペースに巻き込まれるわけにはいかないんだ。



そして、夜の8時という時間はあっという間にやってきた。

家の前で慎吾の車は駐車マークを付けて停まっている。

あたしは車に乗り込む。



「──久しぶりだな、舞」

「うん。久しぶりだね」

「1ヶ月ぶりくらいだっけ?」

「そんなに経つんだ……」


そう。あたしと慎吾が会うのは久しぶりのことだった。

洋介に朝帰りを見られてしまった日以来、会うことはなかった。