ところが──。

キスをした後、舞は泣き出してしまった。


『あたし最低な女だね……』

『最低?』

『最低だよ。一週間前は洋介とキスしてた』

『……』


オレの中では、ショックというより、やっぱり……か、という感じだった。


『慎吾と過ごしてみて、新しい恋を始めるのもありなのかなって思ったり。でも洋介の存在もやっぱり大きくて……。自分がどうしたいのかよく分からないの……』


そう言って、舞は涙をボロボロこぼしていた。


オレと澤村さんの間で舞の気持ちは揺れている。

そして苦しんでいる。