正直な舞のことだから、問い詰めれば吐くだろう。

そう思っていたけど、舞は「何もなかった」の一点張りだった。

口を割ろうとはしなかった。


オレもだんだん、問い詰めることに疲れてきてしまった。

嘘をついてるのは確かなのに。

本人が何も言わない以上、問い詰めることは不可能なのだ。


結局、時間だけが過ぎていった。



「──しつこく何度も同じこと聞いてごめんな」

「……」

「いつか本当のこと話したくなったら話せよ」

「……」

「じゃあオレ帰るから。おやすみ」

「おやすみなさい」


舞の部屋を出て階下に降りて、玄関で靴を履いていると舞が降りてきた。