「澤村さんに見せられないね」

「見せることもないと思うけど」

「それはどうかな? どうせ2人きりで会ったりするんだろ?そうならないとは限らない。でもそのキスマーク見たら誤解するだろうな」


慎吾はクスッと笑って、言葉を続けた。


「まぁ。オレとしてはそっちの方がありがたいけど」

「慎吾はいいかもしれないけど、あたしはどうなるのよ?」

「何もなかったって否定すればいいだろ?その前に澤村さんに会わないきゃいい。キスマークが一年くらい消えないならいいのにな」


そう言って、慎吾はタバコの火を消した。