「あいつの家にいるんだろ? 迎えに行くから。どの辺りになる? 目印になるものとかある?」

「いや……あの迎えとかいいから」

「はっ?オマエあいつと一夜を過ごす気かよ?何されてもかまわないって感じかよ?」

「そいうことじゃなくて。あたし今、東京にいるの」

「と……東京?」


あれだけベラベラ話していた洋介が黙った。

さすがに、県外にいるとは予想外だったと思う。

そして、数十秒の沈黙のは洋介だった。


「──今日帰って来るんだろ?」

「あの……えっと……」

「まさか東京のホテルで一泊とか言わないよな?」

「そう。東京のホテルで一泊するの」


白状するしかない。

バレる嘘ならつかない方がいい。