「──お帰りなさいませ」



フロントにいた、女性ホテルマンが丁寧にお辞儀をしてくれる。

あたしも軽く会釈をした。



あの後、ホテルに戻る為にタクシーを捕まえた。

そして、たった今ホテルに着いたところ。


『ホテルではもっとすごいことしちゃうかも』──慎吾のあの発言は、あたしをからかったものだと思う。

タクシーに乗っている間、段々、冷静になってきてそういう結論が出た。



エレベーターに乗り部屋へ向かう。

あたしと慎吾は特に会話がないまま、部屋に到着。