「連絡すれば、会いに来てもいいってことだよな?」

洋介がパァッと明るい顔になった。

しまった……喜ばせることをしてしまった。 


「じゃあ、おやすみ」

あたしの頭をクシャッと撫でながら言う。

「おやすみなさい」

そう言い残して、あたしは車から降りた。

洋介は車の中から手を振って走り去って行った。




家の中に入ると、キッチンへ直行した。



「あらっ。お帰りなさい」


リビングでは、お風呂上がりのお母さんが日課の顔パックをしていた。


「ただいま」

お母さんと向かい合わせでソファに座った。

「舞、今夜は帰ってこないかと思った」

「何でそうなるのよ?」

「フフフ。洋介君のマンションに泊まるかと思って」