洋介の目線は、赤色に染まったシーツ。


『どうしよう! 洋介……。赤ちゃんが……』

『とりあえず病院に行こう』

『……』

『舞、不安なのは分かる。だから今出来ることをしないと』

『うん……』


もしも、あの時、洋介がいなかったら。

あたしは1人でおどおどして泣いていたと思う。



そして──。

あたしと洋介は産婦人科へ。

診察してもらった結果……。

赤ちゃんを流産していた。

子宮の中には赤ちゃんはいなかった。

ショックで泣き崩れるしか出来なかった。


『初期流産は、決してお母さんの責任ではありませんから。
自分を責めないで下さいね』