真顔であたしを見つめている。

緊張しているのが伝わってきて、
何故かこっちまで緊張した。


『舞──』


洋介は一呼吸分くらい間を取って。


『──僕と結婚して下さい』


そう言って、洋介は頭を下げた。

突然のプロポーズ。

頭がこんがらがって、錯覚かと思った。


誕生日の日以来、結婚の話は出ることはなくて。

まさかここで言われるなんて。


『ありきたりな言葉だけど、舞のこと絶対幸せにするよ』

『洋介……』


言葉にならず涙が溢れた。

頭を下げていた洋介は、顔を上げてあたしを優しく見つめていた。