『覚えてないの?』

『バーカ。覚えてるよ。舞が二十歳になったら一緒に暮らすんだろ?』


あたしと洋介の約束。

“二十歳になったら一緒に暮らすこと”

いつからか、2人の間には同棲話が出るようになっていた。

でも洋介的には、10代のうちは実家で過ごして欲しかったみたいで。

あたしが二十歳になったら一緒に暮らそう。

そう約束してくれたんだ。



『でもオレ同棲より結婚したいな』

『結婚……?』

『──何てな。舞は若いからまだ早いよな』

『そんなことない! 洋介と結婚したい!』

『本気か? 本気なら話進めるぞ』

『本気だよ』


あの時のあたしには迷いなんてなかった。